日本は世界でも地震大国として知られています。1995年に発生した阪神淡路大震災11年に発生した東日本大震災など大地震後も、熊本地震をはじめ大きな地震が次々と起こっています。
今や地震保険への加入は必須とも言われていますが、この記事では、保険の仕組みや相場、メリットやデメリットなど、知っておきたい地震保険についての情報をお伝えします。
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地震保険とは
地震保険の目的は、被災した人々の生活の安定に貢献することです。地震による倒壊や火災で失った建物を建て直す費用を補償する保険ではないので、保険金額も上限が決まっています。
火災保険は地震保険とワンセットで
地震保険の対象は、津波による被害、噴火による被害、地震による火災になります。大きな地震が起こると火災が発生することが多々ありますが、地震が原因の火災の場合、火災保険に加入しているだけでは保険金が出ません。
火災保険のみに加入ている場合は、地震保険を追加することもできます。損害保険料率算出機構の2018年度データによると、火災保険加入者の65.2%が地震保険に加入しています。現在では、火災保険は地震保険はワンセットで加入するようになっています。
地震保険の相場とは
地震保険の保険料は所在地と建物の構造で決まります。住宅密集度が高い東京都や千葉県、神奈川県などは、保険料が高くなります。また、木造と非木造(鉄骨造、鉄筋コンクリート造)では、木造の方が保険料が高くなります。
おおむね、住宅密集度が高い地域では保険金額1,000万円当たり保険期間1年につき木造で31,000円、非木造で17,000円くらいです。住宅密集度が低ければ木造で10,000円、非木造で5,000円くらいです。
耐震等級について
耐震等級は、壁の量や接合部、基礎などさまざまな検討項目に基づいて決められます。建築基準法の耐震基準が震度6から7に相当する大地震にも耐える耐震強度を満たせば「等級1」、さらにその1.25倍なら「等級2」、それ以上なら「等級3」となります。
地震保険へ加入するメリットとデメリット
地震保険へ加入するメリットとしては、地震保険は地震による二次災害の津波や噴火による住宅被害の補償が可能なことです。
地震保険へ加入する際には、「建物だけ」「家財だけ」「建物と家財の両方」などのプランを選ぶこともできます。
安心できる点は、民間の保険会社だけではフォローしきれない巨大地震が起こった場合は政府が再保険し、保険金を支払う体制が整っていることです。
デメリットとしては、地震保険は火災保険に付帯する形でしか加入できないことや、火災保険の保険金額の半分までしか加入できないことです。
また、建物は5,000万円、家財は1,000万円という上限があることもデメリットと言えます。
他にも居住地や建物の構造によっては保険料が高いことや工場や事務所などの建物は対象外になるのもデメリットです。
さらに、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券(小切手、株券、商品券等)、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は補償の対象外になることもデメリットと言えるようです。
地震保険に加入しよう
地震保険は、被災した人々の生活の安定に貢献することを目的にできた制度なので、生命保険のように、ひとりが幾つもの保険に入って保証額を増やすことはできません。
地震保険にデメリットを感じる点も多いかと思いますが、転ばぬ先の杖とも言います。新しく住宅を取得する際には、地震保険に加入するのはもちろんのことですが、耐震等級や非木造住宅を検討するのもひとつの方法です。